第2章 君と一緒
「風邪薬ですか?頭痛薬ですか?すぐ行ってまいります、長谷部にお任せください!!」
そう言って風のように走っていった長谷部君を見送って、剥いた林檎を片手に主ちゃんの私室の襖を開けた。
「ちゃんと寝てる?これ、切ってきたけど食べられそうかな?」
「みっちゃん‥」
うちの主ちゃんは年に何回か酷い偏頭痛で寝込むらしい。
顔色がよくないな‥
よいしょ、と布団から起き上がろうとする主ちゃんを止めて、寝ているように促す。
「置いておくから、無理しないで。ね?」
「ん、ありがとう。ふふ、みっちゃんお母さんみたい。」
「お母さん?格好よくないなぁ。」
ぽんぽんと布団を叩いてやれば、にっこり笑った主ちゃんが言う。