第13章 ひまつぶしシリーズまとめ
ひまつぶしシリーズ③
「そうでした……明日は体育祭でしたね」
『今すっごい今更なこと言ったね。』
「仕方のないことです。だって僕は練習に一度足りとも参加してないんですから、本番が明日だという実感が湧きません」
『どうりで日焼けしてないわけだね。私、イズルくんの活躍が見たかったのになぁ。』
「活躍もなにも、僕が参戦したら勝負どころじゃなくなりますよ。僕の全勝です」
『イズルくんの出た競技はそうだろうね。』
「だからこそ僕は体育祭に興味を持てません……僕の参加した団は優勝してしまうことが決まったようなものですからね」
『ちぇっ……、イズルくんが長い髪を振り乱して全力疾走するところとか見たかったのに。』
「因みに去年も参加してません」
『じゃあ来年もか……。』
「はい、勿論しません」
『明日もここにいるつもり?。よかったら見に来てよ。』
「少しだけならいいですよ。昼飯時に現れるとしましょうか……」
『完全にご飯目当てじゃん。私たちの頑張る姿を見てよ。』
「高校生達が校庭で砂まみれになって走り回っていることの何が楽しいんですか……? それこそ心の底からツマラナイと言えますよ」
『体育祭を根本から否定しちゃった……!。』
「ですから僕は見に行きません。行くとしても誉稀の弁当目当てでしょう……」
『うっ……体育祭の参加者にしかお弁当が配られないから私にたかりにくるのか……。』
「誉稀の要望も叶えられますし、僕の空腹も少しは満たせますよ」
『解せないんだけど……。』