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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第5章 glass heart【赤葦京治】



悪気のない口ぶりからして、女の勘…的なことだろうか…。
とにかく、油断ならない。
人畜無害みたいな顔して、無遠慮に踏み込んでくるタイプの人かもしれない。


「コンバンハ…」


取り合えず挨拶だけは返し、立ち上がる。
梨央さんから目を逸らし、今度は黒尾さんの左方向に視線を動かした。


"もう一人の女"と目が合う。


今日はこのあと、店長サンのお店で飲むことになっている。
きっと黒尾さんか木兎さんが女性陣を誘ったのだろう。


僕が言葉に詰まっている隙に、向こうから声が投げ掛けられた。


「…お疲れさま」


いつもよりぎこちない表情の汐里。
でも、僕をスルーしないところも彼女らしい。


「…うん」


真っ直ぐにその瞳と向き合うことは戸惑われ、視線は汐里の肩のあたりまで落とした。
結局まともに会話を交わすことなく、試合の準備は整ってしまう。


今日のゲームの参加メンバーは7人。
3対3が行われることになり、必然的に一人、コート外へとあぶれる。
最初に僕が外から試合を眺めることになった。

すぐそばには、汐里と梨央さん。
何やら話しつつ観戦しているが、当然そこに加わる気などない。
進められていくゲームの流れに意識を泳がせる。


相変わらず黒尾さんのブロックは隙がない。
流れるように正確な、赤葦さんのセットアップ。
高校生の頃からのブランクなんて感じさせない、木兎さんとのコンビネーション。

そして、当時 "全国で五本の指に入るスパイカー" とまで言われ、今やプロとして活躍している木兎さんの砲撃のようなスパイク。
それはアウトラインのギリギリに打ち付けられ、そのまま勢いを落とすことなく汐里の顔目掛け―――……



「!!」


「きゃっ…!!」


咄嗟に差し出した腕にビリビリと走る衝撃。
一度床に着いたとは言え、木兎さんの打ったスパイクはやはり桁外れの威力だ。


こんな球が汐里の顔面に当たっていたら…


「大丈夫!?汐里ちゃん」


「大丈夫です…」


梨央さんに顔を覗き込まれている汐里は放心状態だ。


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