第5章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)
★GK杉元佐一&尾形百之助(同衾主続き)
二人が消えてから早一週間。不思議と彼らが来る前の生活を自然に過ごせている自分がいた。もう少し胸打たれて塞ぎ込むかと思っていたけれど、そんなことは無かったらしい。消えた瞬間は流石に動揺したけれど。
あの後、寝室で保管していた鍵付きの箱を開けてみると、服や荷物も彼らと共に消えていた。彼らの面影は何も無かった。置き土産もナシだ。ただひとつ、結構な額の紙幣の束がベッド脇にどんと積まれていた事が、異様な日々が現実に起きていたという確固たる証拠として残った。尾形と杉元が居る間に消費した金額分の紙幣だ、と直感が告げて妙に納得もしたものだ。彼らが逆トリップしてきた事実も痕跡もなかった事にしようと『誰』かが仕組んだのだと唾棄しつつ、収まるべき顛末に収まったのだ、と。
今でも漫画を開けば彼らがいて、これからも彼らは紙面の中で生き続ける。ただ彼らが眠りについていた最中だけでも幸福な時間であったならと願うばかりだ。寝室から荷物が落ちる派手な音がして、顔を上げながら切に願う。
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