第2章 『あなたと私とガラスの靴と』
『シンデレラの劇に出てみませんか!』
夕方の生徒会室。英智と2人きりのお茶会。
英智にそうお願いしてみる。
「シンデレラ?また唐突だね…」
『今度演劇部でシンデレラをやる事になったのですが、普通のシンデレラをやってもつまらないでしょう?だから、英智にスパイスになってもらいたいのですが…』
溜めてから、懇願する眼差しで真っ直ぐに英智の瞳を見つめる。
「……渉のお願いなら仕方ないね。」
他の人の願いなら断る内容だけれども渉のお願いならと、英智は聞いてくれた。
それをいつもただただ嬉しいと感じる。
「その代わりに、渉はお姫様役ね?」
『えっ……?』
あめーじんぐ…と呟けば、英智はしてやったりと笑ってみせた。