第29章 緑の占い日和
結局、テストは100点にしてもらえた
体育館の窓から外を眺めるが、雨が降る様子はない
・・・最悪の日なのだよ。
背番号が8の奴も今日は休み
ったく、風邪くらいで休むな馬鹿め
休まれちゃ俺の運勢がジェットコースター並みに下がっていくのだよ
【赤司】
「・・・・・・虹村さん?」
【虹村】
「・・・・・・うおっ
なんだよ」
反応遅っ
今日は朝から反応が鈍い主将
主将の星座は・・・
・・・確か、蟹座だったか
・・・・・・・・・同士だ
主将も苦労しているのか
まぁ空から降ってくるものなんて早々ない訳だs・・・
──────ガッシャァァァァァン!!!!
ビィィィィン・・・
「!!!!」
不協和音
────そう、これだ
────これが・・・俺が待ち望んでた・・・
音が聞こえた瞬間に走り出す主将
ピアノの上からダラリと落ちてくるそいつを、しっかりと抱き止める
【赤司】
「──は・・・・・・・・
───桃井! 救急箱!」
【桃井】
「────うんっ!」
俊敏に動く周囲
だが俺は───その場を少しも動けなかった
その代わり、表情筋が少し変だ
緩みっぱなしのような気がする
・・・脈が激しく動悸している
それは、突然不協和音を聞いたからか、はちが戻ってきたからか分からない
でもまだ、分からないままでいいと思った
夢のようなこの瞬間に、浸っていたかった
『・・・───大好き───・・・』
──その少女が薄く微笑んだのは、
きっと、みんな分かっただろう
気づいてやれたのは、
もう、俺だけじゃない
「・・・俺もなのだよ。」
やはり俺は最後まで、表情筋が緩んだままらしい