第29章 緑の占い日和
ピアノの上に落ちてきたソイツを、俺は一瞬ラッキーアイテムかと思った
──《蟹座の今日のラッキーアイテムは
空から降ってくるもの、です!
・・・そんなの、今の時期雨しかないですよね》
だが、外は晴天
これ以上ないほど、日光が煌めいている
「・・・今日は休むか・・・」
呟いてみて、我に返る
なんてアホらしいのだよ!
雨ぐらい、そのうち降るだろう・・・
そう思って、支度を整えた
────・・・だが、期待は大きく外れた
通学中に犬のフンは踏むし、猫の尻尾は踏むし、授業中に腹が鳴ってしまうし(とてつもなく大きく)、珍しく授業中に寝てしまうし・・・
つまり、雨は降らなかった
【赤司】
「・・・緑間。今日は一段と不機嫌そうだね
・・・・ラッキーアイテムが見つからないのか?」
「・・・・・・さすが赤司なのだよ。
今日のラッキーアイテムが
『空から降ってくるもの』らしい
そんなもの、雨以外にありえないのだよ。」
【赤司】
「ふぅん。
おは朝も随分と鬼畜なんだね」
「赤司に言われたくないと思うのだよ。」
【赤司】
「なにか言ったか?」
窓の外を眺めていた赤司と目が合う瞬間に視線を逸らした
・・・目があったら凍りそうな気がしたのだよ。
【赤司】
「・・・それより、今日はステージの照明が点滅しているな
・・・もうそろそろ取り換えるか」
何げなく告げた赤司の言葉に、俺も視線を向ける
確かに、今日はやたらと点滅している
・・・ん? だが、つい最近取り換えたばかりじゃ・・・
────ガッシャァァァァン!!!!
ガラッビィィィイン!!!!
ジャアァァァァァン!!!!
「!!!!?」
【虹村】
「な、なんだ!!!!?」
突如鳴り響いた不協和音に、心臓が抉り取られるような錯覚に陥った
あの主将でさえ目を見開き、動揺している
【青峰】
「お、おい!!!!
あそこ、誰かいんじゃねーのか!?」
青峰の一言に、全員が目を向ける
そこには、横たわる少女がひとり