第44章 〜44〜番外編③

3人と共に天守を出た。
恐る恐る顔を上げると、まず秀吉さんと目が合った。


「」

「はい……」

「お前の気持ちは理解するが、自分の身を大事にしろ」

「……はい」

「光秀が助けに入ったから良かったものの……相手が女だからだぞ？」

「……」

「もし、相手が男だったら嫌な思いをするのはお前なんだ」

「……そうだね、ごめんなさい」

「……分ればいい。」


秀吉さんはそう言うと、私の頭をぽんぽん撫でた。


「お前が傷つかなくて良かった」

「秀吉さん……」

「口付けは傷に入らないのか？なぁ政宗」

「……もう戻っていいか」

「ああ。」


政宗はニヤリと笑う光秀さんに一言そう言うと、私の手を引っ張って歩き出す。


「……行くぞ」

「あ、うん。2人とも、ありがとうございました……」


私は2人に頭を下げると、慌てて足を動かして政宗に付いていく。



「政宗……」

「黙って付いてこい」

「うん……」


政宗はそれ以上何も言わず歩き続ける。
未だに読めない政宗の気持ちに、私は不安で泣きそうになるのを必死に堪えながら付いていった。