第24章 〜24〜

「なにしてんの」

「ねぇ、家康、政宗の御殿ってどこにあるの？」

「政宗さんの？」

「うん。約束してるんだけど、場所聞くの忘れてて……」

「……馬鹿じゃないの」

「(今日はツンだな……)はいはい。馬鹿でいいから教えて？」

「……はぁ……着いてきて。」

「ふふ、ありがとう」

「俺だって暇じゃないんだけど」

「あ、じゃあ口で教えて？」

「……口で言ってもあんた迷いそうだから送る」

「ありがとう……(デレた……)」



家康と肩を並べて歩き、政宗の御殿へと案内してもらう。



「政宗さんと上手くやってんの」

「上手くやってる……ってどういう……」

「そのままの意味だけど？」

「……隠してもしょうがないから言うけど……昨日……恋仲になったよ」


私が少し顔を赤らめながら言うと家康が立ち止まった。


「……家康？」

「ふぅん」


家康は再び歩き出すと、私に言った。


「……よかったじゃん」

「うん。ありがとう」

「…………」

「家康こそ」

「？」

「優鞠の事は？」

「……まだ考え中」

「まあ……ゆっくりね」

「わかってる」

「ふふ、ならいいけど」

「…………」

「なんかあったら話聞くから」

「別に話なんてないし」

「まあまあ」



家康とそんなたわいも無い話をしていると、家康が御殿の前で立ち止まった。



「ここ。政宗さんの御殿」

「あ、ここなんだ。ありがとう 」

「どういたしまして」

「家康の御殿は？」

「……教えない」

「もう。いいもん。優鞠に聞くから」

「はぁ……なんでもかんでも優鞠の名前出すの辞めてくれる？」

「だって……」


私がそういうと家康にムッとした顔で睨まれた。


「……ごめん。別にからかおうとしてるわけじゃないよ？」

「………… 」

「そんな顔しないでよ……」


私が困り始めたその時、御殿から政宗が出てきたのが見えた。