第24章 〜24〜

私が天守の外で秀吉さんを待とうか悩んでいると、秀吉さんが出てきた。



「」

「あ、秀吉さん。お話終わった？」

「あぁ。」

「どうしたの？」

「……なにがだ」

「なんか……怒ってる……？」

「怒ってる……そうだな、俺は怒ってる」

「え……」


秀吉さんはそう言うと私の頬を軽くつねった。



「い、いひゃい……」

「政宗と恋仲になったこと、俺に黙ってたな？」

「……黙ってたわけじゃ……」

「まったく……」


秀吉さんはそう言うと、私の頬を離してその手を私の頭をぽんぽん撫でた。


「寂しいじゃねぇか 」

「……え？」

「可愛い妹に大事な相手が出来たって言うのに、兄貴の俺に報告もなしか？」

「……言おうとは思ってたよ？でも……」

「でも？」

「……恥ずかしくて……」

「恥ずかしい？」

「……うん。まだこの時代に来て数日なのに……もう政宗が好きだとか早すぎるかなって……」

「でも好きなんだろ？」

「うん……」

「好きだと思うのに時間なんて関係ない」

「……そうかな」

「そうだろ。お前が幸せなら俺はそれでいいんだ」

「……うん。ありがとう……」

「これからはなんかあったらすぐ言えよ？」

「うん」



秀吉さんは私が素直に頷くと、笑いながら私の頭を撫で続ける。



「……それ、なんか照れる」

「ん？」

「秀吉さんってさ、人の頭撫でるの癖だよね」

「そうか？」

「(無意識……)出会ってから良く頭触られてる気がする」

「嫌なら辞める。悪かったな」

「嫌じゃないよ？なんか、ほっとする」

「ほっとする？」

「うん……私小さい頃に両親も兄も亡くしてるの。だから、頭を撫でられた記憶が無くて」

「…………」

「だから、秀吉さんに頭ぽんぽんされると、なんか安心するの」

「そうか」

「うん。お兄ちゃんが生きてたら……秀吉さんみたいに可愛がってくれたかな……って」

「……その兄貴の分まで、俺がの事可愛がってやらなきゃな」

「ふふ、ありがとう」