第18章 〜18〜
「優鞠がさ、秀吉さんと恋仲になりたいと思わないのは、秀吉さんが武将だから?」
「もちろんそれもあるよ?でもね、この城内、そして城下に秀吉様のこと好きな人が沢山いるの」
「へぇ……モテるんだ……」
「モテ……?」
「ああ、人気者ってこと」
「そう。それにね、しょっちゅう町の綺麗なお姉さんと出掛けてるって噂もあるし……」
「へぇ……敵が多いんだね……(秀吉さんプレイボーイなのか……なんか意外かも)」
「そういうこと。だから、私なんかの出る幕はないってこと。」
「そんな事ないよ。優鞠可愛いじゃん。」
「……褒めてもなにも出ません」
「もう。本音なのに。」
「……そういう事で、私は秀吉さんとどうこうなりたいとは、思ってません。」
「はい。わかった。」
「……はぁ……」
「ほんとにそう思ってる……?」
「……そりゃ……もし私を選んでくれたら……って思ったことが無い訳じゃないよ……でも、有り得ないから。今は見てるだけでいいの。」
「そっか……(うーん、歯がゆい)」
信長様が身分の無い世界を作ろうとしてるのに、同じ城内で身分で悩んでる人が居るなんて……なかなか上手くいかないもんだなぁと実感した。
優鞠の気持ちも、家康の気持ちも、秀吉さん……はちょっと置いとくとして……
どうにか皆幸せになって欲しいな……と願わずにはいられなかった。