第18章 〜18〜
「、起きて」
「ん……?」
「ほら、朝餉持ってきたから」
「んー。優鞠おはよ……」
「おはよう」
私は眠い目を擦りながら優鞠を見た。
(今って……何時なんだろ……)
まだまだこの時代で、知らなきゃいけない事沢山あるな……などと考えながら私は起き上がった。
「お布団片付けるから、その間に顔洗ってきたら?今日昼前に政宗様と町へ行くんでしょう?その支度もしなきゃいけないんだから。」
「…なんで知ってるの……」
「さっき厨房で政宗様と会って、支度手伝ってやってくれって頼まれたの。ほら早く。」
「うん……ありがとう。」
「ほら、さっしないと政宗様来ちゃうよ?」
「……行ってくる……(あ、そうだ)」
私は優鞠に聞きたい事があることを思い出し、急いで顔を洗いに行った。
「おまたせ優鞠。布団ありがとうね」
「ううん。さ、朝ごはん食べよう」
「うん。いただきます。」
優鞠が運んできてくれた朝餉を、優鞠と一緒に食べ始める。
「そういえば、朝餉は各部屋で食べるものなの?」
「ううん。人によるかな。家臣の人達は食事場に行くんだけど、武将の皆さんは各々の御殿で食べることの方が多いかな」
「へー、そうなんだ。じゃあ今日わざわざ持ってきてくれたの?ありがとう」
「うん。昨日話したいことあったみたいなのに、聞けなかったから………部屋でご飯食べながらなら、ゆっくり聞けるかなと思って……」
優鞠は申し訳なさそうに言ったが、その気配りが私は嬉しかった。
「ふふ、ありがとう。嬉しいな」
「……なにが?」
「優鞠が私と話せるようにって考えてしてくれたんでしょ?だから嬉しいなって。」
「……だって、私は専属の女中ですからね。」
「ふふ、そうでした。」
そう言って2人で顔を見合わせて笑いあった。