第34章 返却

櫻「リップ持ってる人いない？」

松「持ってるねぇ」

大「うん」


《楽屋にて》

大「翔くん、リップ返してくれる？」

櫻「え？さっきその場で返したよね？」

翔くんがキョトンとした顔をする。う～ん♪その顔も可愛い💕

大「ううん、つけた分返して♪」

櫻「あ～！そういう事」

大「そういう事～💕」

櫻「え～、でもここでぇ？」

ちょっと困ったような表情をする。

大「うん、ここで♪」

唇を突き出した。

櫻「もぉ、しょうがないなぁ」

近づいてくる翔くん、目を閉じて待った。

ブチュッ！………ん？硬い⁉

そーっと目を開けると目の前には翔くん…が表紙の雑誌。

見上げると松潤が怖い顔をして立っていた。

松「ナニしてんだ？あんた」

大「だから、翔くんからリップ返して貰おうとしてるんでしょ？」

相「大ちゃん、俺たちいるのわかってる？」

大「わかってるよ」

二「もうね、このおじさんは我々がいても関係ないんですよ」

松「ふたりのキスシーン見せられる俺たちのこと、少しは考えてくれよ…」

大「キスシーンなんて大袈裟な、リップ塗るのにちょっと『チュッ』てしてもらうだけじゃん」

二「リップ塗るだけなら自分で持ってるんだから自分の塗ればいいでしょうよ」

大「でもさぁ、借りたものは返さないと駄目でしょ？」

相「たしかにそうだよね、さすが大ちゃん！」

二「なんであなたはそう簡単に騙されるんですか…」

松「それにしても、なんでリーダーリップ持ってたの？普段から塗ってた？」

大「ああ、翔くんのプルプルの唇守るのは俺の仕事だもん」

相「それってさあ、翔ちゃんの為にリップ持ち歩いてるってこと？」

大「え、と…そういう事、かな？」