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【ONE PIECE】アイサレたくない恋【サッチ】

第8章 Darkness➤Brightly



「そこのお嬢さん、何か悩み事があるようだね」

「…占い師かなにか?」

この手の商売は胡散臭くて仕方がない。

そんな意を含んだ視線を向ければ僅かに苦笑した。

「この島一番の日だよ、そんな顔してちゃ勿体ない」

「お生憎様、私にはかっこいい連れが…エース隊長?」

さっきまで隣を歩いてた姿が見えず、周りを見渡せば綺麗な服を着たおねーさんに絡まれているではないか。

羨ましい…でも本人は満腹感に負けて寝かけている。

「ね、おにーさん」

「何だい?」

「"愛"って何?」

彼は瞠目して私を見る。

「そんな若いうちから考えるのか」

「私二十歳よ」

「まだまだガキじゃないの」

フードを被ったうえに口元を隠した彼は年齢が読めなかった。

声音からして、近いと思うのだけど。

「"愛"ってのはなぁ…」

エース隊長の叫び声が遠くから聞こえた。

店に無理やり連れ込まれたかな。

「躊躇わないこと、かな」

「躊躇わないこと…?」

予想外の答えに困惑する私の肩に手を置き、片付け始める。

「あとは自分で考えるといい。こういうのは見つけなきゃならない。さ、今日はもう店じまいだよ」

「…わかった、ありがとう。なんだか、また会えそう」

手を止めたおにーさんは少しの間の後肩を竦めて見せた。

その時に顔を右に少し傾けて…。

…あれ?

この仕草、私知ってる…?


ーやあ、前に会ったことない?


ーもうちょっと考えたナンパにしてよ


ーあはは、じゃあもう一回チャンスくれない?


ーお誕生日おめでとう、今日で出会って一年だ


ー素敵なピアス!可愛い!


ー可愛らしい君に似合うと思って


ーあ、あの!結婚…して、くれませんか…!


「また、ね」


ーふつつか者ですが、よろしくお願いします
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