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Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》

第18章  "好き"の行方は知らぬまま、




『え、黒尾………それ、どういうi』


「そのまんまだよ。好きだから、俺と付き合ってくれっつってんの。願い事、聞いてくれんだろ?」


じっと星菜を見詰める黒尾。その視線に、段々と星菜の顔が熱を帯びていく。


何か言わなきゃ。黒尾に、好きだって、付き合ってって言われたんだから。こういう時なんて返すんだろう?口を開いてみるも言葉にならず、意味のない音が出るばかり。困り果てた星菜の耳に、シュボオオオという音が入り込んだ。


ふと振り返ると、孤爪が小さな仕掛け花火に点火したところだった。赤、青、白、黄色。様々に色を変える花火を見詰め、星菜はゆっくりと立ち上がる。そしてその隣に、黒尾は並んだ。


『キレイだね……』


「おう。でも……星菜の方が綺麗だぜ?」


『っ、じ、冗談はいいよ///』


「ウソじゃねェよ。星菜が好きだ」


そう言う黒尾の目はいつになく真剣で。思わず星菜は見惚れた。漆黒の瞳には、花火に照らされる星菜だけが映っている。そっと、黒尾が星菜の肩に手を置く。ゆっくりと2人の影が吸い寄せられるかのように近付き、重な―――


「クロさんちゅーしようとしてる!!」


―――らなかった。


横槍を入れた灰羽はずんずんと星菜に近付き、後ろからその腕を引く。ひょこりと顔を出した孤爪も、不満気だ。そして一番不期限そうなのは、邪魔をされた黒尾当人。


「ンだよ、気ぃ効かねェな」


「星菜は俺のっすよ!」


「一番はおれだよね、星菜?」


『え、ちょ、待っ、待ってぇ!』


灰羽の手をすり抜けた星菜は、脱兎のごとく逃げ回る。それを追うデカいの2匹とプリンが1匹。まったく、ひどい絵面だ。


『ほら、私っ、大学受験あるから、っそういうの、受け付けないからぁ!』


「じゃあ待ちます!」


『じゃなくて!』


「待つのは慣れてるもんな、研磨」


「もうずっとだもんね」


『っなんでそうなるのよ!』


ぎゃあすかと騒がしく走り回る4人。夜空に浮かぶ三日月は、まるで微笑っているかのよう。いつまでも楽しそうな声に、優しい月明かりが煌々と照らす。



星菜が誰を選ぶのかは、また別の機会にでも。




END.
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