第60章 よくある話
必要な物だけ持って、
沖田さんの隠れ家に引越しを済ませた。
みわ
「うわ〜、素敵〜〜」
両側が森に囲まれた平屋建ての立派な一軒家だった。
沖田
「以前住んでいた大家族がねィ、
わけあって暮らせなくなった後…趣味で買い取ったんでィ」
みわ
「大家族さんが前に暮らしていたんですね〜
いいですよねっ!大家族〜」
沖田
「あぁ…兄妹が沢山いるってのは幸せな事だからねィ……
俺なんて唯一血を分けた姉が死んじまって…今は1人でさァ……。」
みわ
「……そうですか……」
寂しそうな表情を浮かべながら縁側でハイハイする結と繋を見つめる沖田さん。
沖田
「だからさァ!!みわちゃんには俺の子供を沢山産んで貰わないとねィ!!」
(´⊙ω⊙`)
みわ
「え!?」
沖田さんは私と向かい合わせになって、両手を肩に乗っけてきた。
沖田
「1人2人居なくなったって…他の兄弟で支え合えるように……
沢山作ろうねィ!みわちゃん!!」
みわ
「……あはは……努力します…(汗)」
前に沖田さんが私に言ってきた。
【姉上とみわさんて似てる】って……言ってたけど……
もしかしてお姉さんと私をダブらせて…
(あるかも知れないよね……面影を追って…て)
沖田
「馬鹿犬!!ほらよっ!!」
広い庭に興奮しているシバタに沖田さんがボールを投げる。
シバタ
「U・x・Uヴヴッ!!」
まだ沖田さんの事を飼い主と認めないシバタは、
唸りながらボールを拾いにいき、
唸りながら沖田さんの所まで持ってきた。
みわ
「シバタったら…ふふっ……」
沖田
「こいつァ、よく躾けられてるねィ。」
退さんはシバタを溺愛してたからな……
分かる人には分かるんだなぁ…
私は沖田さんの心の闇に寄り添うように、
今はただ沖田さんだけを想う事にした。