第60章 よくある話
★ジミーストーリー★
俺は菜乃花の作ってくれた弁当を一気に胃に流し込むと、
我が家に向かって走り出す。
(今の時間なら結も繋も起きているだろうし、
嫌がるまでギューしてやろうっと!!)
我が家に帰る事ってこんなにウキウキするようなことだったかな。
もしかすると…幸せすぎてこの感覚が普通に感じていたのかも知れない…
どんな事があっても俺の帰りを待っていてくれる…そんな家族の有難さを忘れていた。
山崎
「ハァハァ………着いた。」
"ガラガラ…"
(あれ?玄関の鍵が開いてる……)
山崎
「ただいまー!!」
(o_o)
殺風景なってしまった玄関と玄関から丸見えのリビング…
山崎
「え!?」
急いで家の中に上がる
山崎
「なにこれ….…」
テレビやテーブルパソコンなどはそのままで、
みわちゃんの私物や結や繋やシバタの巣だけが無くなっていた。
山崎
「嘘…だ。」
ひざから崩れ落ちる
山崎
「そんな……嘘だ!嘘だ!嘘だ!」
立ち上がり、
いろいろな場所を探す…
台所…風呂…トイレ…寝室…床の間…空き部屋……
山崎
「………」
もう一度寝室に戻り何か手がかりがないかもう1度調べてみたら、窓側の畳の上に何か置かれているのに気が付いた
山崎
「!!」
駆け寄ってみると
茶色い封筒と指輪だった。
俺は茶色い封筒を開けて中身を取り出す
みわちゃんへ
俺の事は忘れて下さい。
今まで本当にありがとう。
もう愛していません…
追伸…離婚届俺の分は書いておきました。直ぐに提出して。
その下にみわちゃんの分の欄も書かれた、
乾いた涙の粒が点々と残っている離婚届が入っていた。
山崎
「俺はこんなん書いてない……なんで?」
俺の欄に書かれた文字を見る。
山崎
「この字……」