第59章 連絡しないのは出来ないのであって本当はしたいんだからね
★ジミーストーリー★
お昼になって捜査も一休み、
俺は小さな公園のベンチの上で菜乃花が作った弁当を広げている。
"パカ"
フタを開けると、
唐揚げウィンナーシュウマイ肉団子……白米……
野菜が一切見当たらない茶色い弁当だった。
山崎
「…はぁ…….」
みわちゃんの弁当とは真逆の弁当に若干嫌気がさしながらも、
朝起きて一生懸命作っていたのを知っているから食べないわけにはいかない…
山崎
「……モグモグ……」
(いつまで…こんな……)
"pipipipipipipi…"
電話が鳴る
山崎
「はい。」
TEL桜→山崎
「山崎先輩ですか!!?」
山崎
「ん?桜じゃん。どうかした?」
TEL桜→山崎
「先輩!!ケータイの番号変わってますよ!!!」
山崎
「は?じゃあなんで桜は俺に電話できてんのさ…モグモグ…」
TEL桜→山崎
「調べて調べて…調べたんです!!
…番号もメールアドレスも変わっていて苦戦しましたよ。」
山崎
「…………」
(それなら辻褄が合う…あんな寂しがり屋なみわちゃんが連絡して来ないなんてありえないし。)←自分が一番寂しがり屋
TEL桜→山崎
「吉村先輩が今、勝手に電話番号を変えた奴を調べてくれるとは言ってくれているんですが……
聴取が何件か入っているようで直ぐには着手できそうにないと……」
山崎
「聴取?吉村が??
本当に直ぐに着手できないって言ったの?」
TEL桜→山崎
「はい。」
山崎
「……わかった。」
俺はそう言うと電話を切った。
おそらくケータイ番号を変えたのもメールアドレスも変えたのも桜……
桜は優秀だと言っても入ってまだ日が浅い…
吉村の事を何も知らなかった。
(後輩にまんまとやられるなんてな…)
吉村は聴取には向いてないから俺の役割になっているし、
吉村ならこんな簡単な事は直ぐに調べられる。
俺は何か嫌な胸騒ぎを感じ1週間振りに自宅の様子を見に行く事にした。