第41章 伊達眼鏡 上
pm18:00
俺達は無事に初日の潜入捜査を終了した。
山崎
「頼んだの持ってこれた?」
昼休憩の時に、
あのアンコを使ったお萩を持ってくるように桜に頼んでおいた。
桜
「はい、大丈夫です。」
桜は白い包みにお萩を包んで持ってきていた。
山崎
「上出来上出来…あとはこの粉と一緒にお萩を副長の所に行って
成分の分析を頼んで黒か白かハッキリさせて終わりだな。」
桜
「って事は今日で潜入捜査は終わりなんですか?」
少し寂しそうに聞いてくる桜。
山崎
「いや、黒か白かハッキリするまでは一応潜入するつもりだけど…
なんでそんなに寂しそうなの?」
桜
「え?…いやだなぁ〜、顔に出てました?」
(うん、ハッキリ。)
山崎
「…」
桜
「ほらあたし〜、ずっと接客してたからぁ〜
お客さんとのやり取りが楽しくて楽しくて……」
橋に差し掛かる
桜は思い切りダッシュして
橋の中央辺りで眩しそうに夕陽を見始める。
山崎
「桜は女だし、
真選組に拘らずに前職に戻るのもアリだと思うけど…」
桜
「そうですねー。それが良いかも私には監査なんて……
今日だって先輩が怪しいと判断した物しか持ち帰れなかった…」
(さくらさん!!!早くもスランプ!?)
山崎
「俺は桜に監査の才が無いなんて思わないよ。
だってほら…このお萩…
ストーカーのように張り付いてた店長に気付かれずに回収できたじゃん?」
桜
「せ、先輩!!!」
山崎
「まだ入って間もないのによく頑張ってるよ。
あっ!そーいや監察に正式採用されたんだってな!
おめでとう。」
桜
「ありがとうございます!!
今日の先輩…
伊達眼鏡のせいかいつもよりカッコよくて惚れそうですよ〜」
山崎
「冗談はいいから、ほら、早く帰るよ!!」
桜
「はーい!!!って言うか冗談てなんで分かったんですかーー!?
もしかして先輩ってエスパーか何か?」
山崎
「ちげーよ!!」