第4章 予
少ししてから、
夕餉をたべに隊士さんたちもいる食堂へ向かった。
食堂の中は満員とまではいかないけれど、
座れる場所は限られていた。
(えと……)
食事が乗ったお盆を持って彷徨っていると、
けんちゃんと目が合った。
けれど…さっきの事があってか、
けんちゃんに視線を逸らされてしまった。
みわ
「……」
けんちゃんの横を素通りして、
奥へ向かって歩いていると十番隊隊長の原田さんに声をかけて頂いて、
ご一緒させて貰い夕餉を済ませた。
みわ
「はぁ…どうしようかなぁ…夜まで暇だなぁ…」
自室に戻りながら
夜まで特にする事が無いからどうしようか悩んで悩み抜いた結果…
みわ
「そうだ!!」
小川さんから貰ったケーキとペットボトルの紅茶を持って、
屯所の外れにある誰も来ない庭で1人お茶パーティーをする事にした。
みわ
「そうと決まれば準備しなくちゃ…」
“ピピピピピッ…ピピピピピ…”
ケータイが鳴った。
(……あっ、きっと山崎からだ!夕方にも連絡するって言ってたもんね)
みわ
「はい…もしもし?」
tell
「……」
やはり受話器の向こうからは何も聞こえない
みわ
「お疲れ様です…」
話しかけてみたけれど電話の向こうは無言。
少し寂しく感じまたそっと電話を切った。
(山崎さんとは、ゆっくりお話し出来てないな…)
なんだか想像してしまう。凄く失礼な想像だけど、
こうやって定期的な連絡を受け取っている行為はまるで………
クリーニング屋の前の道を歩いていた恋人達みたい。
小川さんから貰ったケーキは、
ブルーベリーがふんだんに使われている濃厚なレアーチーズケーキだった。