第34章 恋は病
屯所に着いた時にはすっかり辺りはオレンジ色になっていた。
懐かしい場所に一瞬、思考が停止する。
門番
「あれ?佐藤さん??」
そこには見知った隊士の方がいた。
みわ
「お久しぶりです!」
隊士
「ザキさんに用ですか?俺、呼んできましょうか?」
みわ
「え…あ、違うんです。」
隊士
「違うんですか?それなら…?」
(しっかりしなくちゃ……)
みわ
「一番隊の田中さんはいらっしゃいますか?」
隊士
「田中?ちょっと待ってな!呼んでくるからな。」
みわ
「ありがとうございます…」
私は屯所の門の側の塀を背に待つ。
(……あの日……私、こうしてけんちゃんを待ってたんだよね…懐かしい)