第29章 ATM
12歳の冬、
真冬の川で農家さんに頼まれた大根の土落としをしていると
知らない男の人が私の元にきた。
男
「おいお前、佐藤みわか?」
みわ
「はい…そうです」
男
「俺に付いて来い」
男は武骨な手で私の腕を乱暴に掴むと歩き出す
みわ
「あ、あの!!わたし、仕事中なんです!離してッ!!」
"バンッ!"
男が私のお腹を勢いよく殴った。
みわ
「ッ………」
鋭い痛みがお腹に走り立ち上がれずにうずくまる。
農家
「ちょっ!みわちゃん大丈夫かい!!?」
その一部始終を見ていた農家のおばちゃんが私の元に来てくれた。
農家
「ちょっと!何するんだ!!」
男
「すまねぇすまねぇ…手がすべっちまってね……」
騒ぎを聞きつけた数人の大人が集まってくると、
男はばつ悪そうな表情を浮かべ、
再び私の腕を掴むと歩きだす。
みわ
「だ、誰か!助けてっ!!たすけてぇーー!」
私の悲痛な助けに反応した数人の大人が駆け寄ろうとした時だった…
種違いの1つ年下の弟が私の元へ来た。