第25章 山崎と中山コンビ 【監察日誌】
俺は中山さんの指示に従い露天風呂の掃除をしている。
中山
「今日は晴れてて良かったよーー、雨だとね露天風呂の掃除って大変なんだよ。」
山崎
「あー、屋根ないからずぶ濡れになっちゃうとか?」
中山
「そうそう!……って山崎くん!
もっと力入れてブラシがけしないと汚れ落ちないよーー」
山崎
「は、はいっ!」
中山
「私も最初そうだったよー!あ、でも山崎くんよりは鈍臭くなかったけど!あははっ!」
(鈍臭くて悪かったな!)
中山さんを昨日から見ていて気がついた事がある。
俺以外の裏方仲間が中山さんを避けていること…
おそらく無意識に口から出る失礼な言葉の数々が原因なのだろう。
中山
「…山崎くんて……彼女とかいるのー?」
(また唐突な……)
山崎
「いるように見えますか?……あははは…」
(自分で言って悲しくなるや…)
中山
「いないように見えるーーッ!
寂しいでしょ?毎日……
それならさ!私が退くんの彼女になってあげるよ、ね?いいでしょ?」
山崎
「え!!」
中山
「え!!」
(いや、なんでアンタがビックリしてんの!?)
山崎
「……そ…」
中山
「ちょっ…ちょっと待って!!!
返事はゆっくりするもんだよーーー!
今しないで!!キャアーーッ、ハズカシィ!!」
(少女漫画の見過ぎだな中山さん……
つか俺なにやってんだろー。
昨日も宿泊客の監視してたけど特に何にもなかったし
あの黒い金庫みたいなやつの中身は…アレだったし……
引き上げた方が良さそうだな……)