第1章 転
みわ
「………」
(私の名前はみわ。
今から6年前、口減らしの為、
江戸歌舞伎町にある甘味屋に売られ……
お休みやお給金はもちろん無しで奉公をしています)
甘味屋女将
「みわ!みわ!!」
みわ
「…ッ!!は、はい!!」
厨房の小窓から賑やかな表をボーッと眺めていた私に気が付いたのか
店内で接客中の女将さんが私を呼び付ける。
(女将さんが絶対のここでは、
呼びつけられたら30秒以内で駆けつけないといけないという暗黙のルールが存在する。
もしそれを破れば私は直ぐにでも解雇されてしまう。
それだけは回避したいので私はできるだけ急いで、女将さんがいる店内へと向かう)