第2章 契
中庭の隅で1人動揺していると、
先輩女中のカレンさんが声をかけてきた。
石中カレン
「なあに?こんな場所で新人のくせにサボり?
………………………その格好……あー、なるほどね。
アンタ、鉢合わせしちゃったんでしょ??」
みわ
「…はい……」
石中カレン
「もしかしてアンタ、ノックもしないで入ったの?」
みわ
「…はい…」
石中カレン
「まったくアンタって馬鹿だね!!
でも、まあー。此処で働いてればそんなこと日常茶飯事よ!
いちいち動揺して逃げてたら仕事になんないよ。
ほら、早く行きな!」
(カレンさん…昨日は感じ悪いって思ったけど、
こういう面もあるんだなぁ……)
私はカレンさんに軽くお辞儀をすると、
厠へ向かって走り出した。
石中カレン
「……………ふっ。」