第12章 タ
★ジミーストーリー★
屯所に着くと直ぐに浴場に行き
嘔吐物がついた身体を洗っている……
“ガラガラガラ…”
誰か入ってきた。
「お見合い上手くいったか?」
聞き慣れた声が俺に話しかけてきた。
山崎
「いくわけねーよ…」
田中だった。
田中
「だろうと思ったよ。」
山崎
「だいたい俺、乗り気じゃ無かったし…流れでそうなってさ…」
田中
「…乗り気じゃなかったなら断れば良かったんじゃねーの?」
山崎
「無理無理…副長命令だったし。」
田中
「でもお前、好きな女いるんだろ…?」
山崎
「!」
田中
「……みわとか?」
山崎
「!?」
田中
「…俺教えたんだよ。
お前が今日、見合いしに行くってな。」
山崎
「え?」
田中
「…ハッキリ言っとくけど、俺もみわの事を好いてる。
お前に渡すつもりないから…」
そういうと田中は浴場から出ていった。
田中の気持ちは前から知っていた。
佐藤さんのことをみわと呼び捨てにしたり、
事あるごとにみわと会って話したり…
伊東との真夜中の密会を誰よりもショックを受けてたり……
俺は…
田中にも佐藤さんにも酷い事をしている。
(このままじゃだめだ!しっかりしろ!俺!!!)
俺は急いで濡れている身体を拭き、着替えて走り出す。
行き先は……