第2章 契
みわ
「佐藤です…宜しくお願い致します……」
隊士や女中さん達が集まる朝の朝礼中…
私は皆さんの前に出され顔見せをしている。
緊張して終始下を向く私……
前を向かなきゃって思うけど何だかこわい。
何を言って良いか分からずモジモジしていると、
優しい声が響き渡った。
近藤
「佐藤は昨日配属されたばかりで屯所の事は何もしらなんだ。
何か困っていたら助けてあげるように!!」
助かった…
やっぱり近藤さんて優しい。
ざわめく隊士さん達をなだめながら私に気を遣ってくれてる…
誰にでも出来る事じゃない…
ってあれ?
今気づいたけど近藤さんて、
他の隊士さんとは少し違う服を着てる
もしかして偉い人…なの?
そんな事を考えていると、
鋭い視線に気付く。
そちらに目を向けると、
近藤さんと同じ服を着た綺麗な顔をした男の人だった。
私は咄嗟に小さく頭を下げ直ぐに違う方に目をやった。
なんとなくだけど、近藤さんとは違うって思ってしまった。
暫くすると朝礼が終わり私の初仕事が始まった。