第1章 仙人団子作ってます。
お初にお目にかかります。私、歯牙無い仙人団子職人です。
名前?一応念のため、万が一を考えてまぁ絶対無いとは思いますが本当に念のため万が一、神域(?)では真名は明かすなという規定ですので、団子とか職人とかお好きなようにお呼びください。
ところで知ってましたか?仙人団子ってね、
完全手作り!
なんですよ。
大事な事なのでもう一度。
仙人団子は完全手作り!!!
「次のイベントで仙人団子をご褒美の一つにするから大至急用意お願いね!◯万本!」
「またですか?!納期は?!!!」
万屋モールの一角、隅っこの隅っこにあるとある工場の小さな応接室で、政府職員さんと団子職人の私が向かい合って話し合い…という名のある意味死刑宣告を受けて、悲鳴染みた質問をしてしまったのは仕方のないことなのです。
お役所はわかっとらんのです…使い古された表現ですが正にそれです。お上はわかってない。
ボタン一つ押せば出てくるとでも思ってるんですかね?