第10章 冬の夜桜
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カランカラン、とお店のベルがなる。
店員は光太郎と、店長さんだったかな?
「お、まお!どったの?」
「帰る道で桜が咲いてて、一緒にみたいなって思って」
「そーいや咲いてたね~、あ、じゃあ光太郎帰っていいよ」
「え!?いんすか!?」
「可愛い彼女待たせちゃだめでしょ~、いいよいいよ、今日暇だし、明日は通しでいてくれればいいし」
えー通しかよ〜~〜なんて言ってたけどしっかり帰る準備をする光太郎。それをにこにこ見てる優しそうな店長。
「ねー、彼女さんうちの服も来てみなよ〜絶対似合うから〜」
「俺の彼女、着せ替え人形じゃねえすから!やめてくださいよー!」
「えー、でもストリート似合いそうな雰囲気だよ?今度試着しにきなよ。買う時とか全然、社員割引しちゃうから」
「え、ホントですか。じゃあ今度来ますね」
「んーきてきて!じゃあ、花見楽しんで〜。光太郎写真送ってね〜。」
「ういっす、お先失礼します」
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