第5章 真の過去
真くんって、はっきり言っちゃうと「ガリ勉」ってやつだよね。でも何でそんなに勉強にこだわるのかな。
・・・もしかして何か理由があるのかな。聞いてみようかな。
私は真くんの部屋に行った。真くんと同室なのは枢くん。だからなのか本棚を壁代わりにして枢くんを避けるようにしている気がする。
真くんは次の授業の予習をしていた。邪魔をする気はないけれど聞きたい・・・私は勇気を出して聞いた。
「真くん・・・」
無視されると思ったけれど、真くんは「はい」と応えてくれた。
「真くんは・・・どうしてそんなに勉強にこだわるの?」
私が聞くと真くんは丁寧に答えてくれた。
「・・・私の親・・・とてもチャラチャラした人だったんです・・・だから私もそうならないように・・・」
そうだったんだ・・・あっでも何でこのシェアハウスに来たんだろう?それも聞きたいな。
「このシェアハウスに来た理由も聞いていい?」
「いいですよ。私が来た理由・・・」