第12章 同じ空の下で
【智side】
荒い息を吐きながら、翔くんが倒れてきて。
そのままぎゅっと抱き締められた。
トクントクンと早い鼓動が聞こえる。
それが俺のと重なって。
不思議なことに、同じリズムで動いてる。
んふふ…こんなところも、通じてんのかな…?
「え?なんで笑ってんの?」
顔を持ち上げて、翔くんが不思議そうな顔で見つめてきた。
「ん〜?幸せだな〜って思って」
俺がそう言うと、翔くんは本当に嬉しそうに笑って。
「俺も…。こんなに幸せな時間、生まれて初めてだよ」
言いながら、チュッと音を立ててキスしてくる。
啄むように何度も角度を変えて、唇を重ねて。
それが段々深くなって。
また、下半身に熱が集まってくる。
「…智くん、当たってる…」
それに気付いた翔くんが、唇を離して困ったように眉を下げた。
「だってさ…」
「わかるけど…明日も収録あるでしょ?」
「うん…」
翔くんは優しい顔で笑って。
頬っぺたに軽いキスを落とすと、ベッドから降りてしまった。
「ほら、シャワー浴びようよ?中、綺麗にしないと」
そんなこと言われたの初めてで。
なんか、急に恥ずかしくなって、俯きながらその手を取った。
シャワーを浴びながら、翔くんの指が中に出したものを掻き出す。
「んっ…あ、あっ…」
「ちょっと、エロイ声出さないで」
「だっ、て…」
そんなことしながら、お互いの身体を洗い合って。
お互いの髪の毛をドライヤーで乾かし合って。
俺たちは手を繋いで、ベッドに入った。
抱き締め合って眠りたい、けど。
そんなこと、今までしたことないし。
翔くんは、どう思ってんのかな…。
チラッと翔くんを見たら、バッチリ目が合っちゃって。
「…抱き締めても、いい?」
戸惑いがちに、そう聞いてきた。
俺は返事の代わりに、その腕の中に飛び込む。
「このまま、寝よっか?」
「うん…」
「…本とはさ、ずっと、抱き締めて眠りたかった」
「俺も…」
「これからは…ずっとこうやって寝よう?」
「うん」
「智くん、好きだよ」
「俺も、翔くんが好き」
瞼が降りてくるまで、また何度も愛を囁き合って。
一生分の愛を囁いたんじゃないかって思うほど、好きって言ったけど、まだ足りなくて。
明日、目が覚めたら、また好きって伝えよう…。
そう思いながら、その腕の中で幸せな眠りについた。