第20章 満開。
ぐちゅ…と音を立たせて
引き抜かれた彼のモノは
先端から蜜を溢れてた。
宗三『こんなにまでされて
貴方はまだそんな事を…、』
『だって…、』
宗三『身を滅ぼすだけだと言うのに
貴方はまだ僕達に手を差し伸べる。』
『宗三様…、』
宗三『けれど…こんなに
満たさられるものはありません。』
ぎゅ…と背中を抱き締めれば
密着する体が熱くなる。
宗三『貴方は馬鹿です。
正真正銘の大馬鹿者です。』
『うぅ、』
喜べない…複雑な想いのまま
擦り寄れば宗三様は私を見つめる。
私も彼へと視線を向けると
唇にちゅ…と触れるだけの口付けを
宗三『そんな…馬鹿に
僕は救われたというのです。
生きている限り誇りなさい…。』
『ん…ぅ、』
宗三『けれど忘れてはなりません
貴方が向き合う敵は厄介です。
並大抵の力で敵いませんよ。』
離された唇に名残惜しさを
感じていれば切なそうな瞳が映る
『心配…してくれるのですか?』
宗三『失いたくないのです…。』
カタカタと震え出す触れた手が
あまりにも悲しみを帯びていた
ぐりぐり…と、肩に額を
擦り付けると宗三様は唸る。
宗三『何するんです…。』
擽ったいのかやめなさいと
止められて溜息をつかれ
やれやれと強く抱き締めた。
『私も怖いものは怖いです…』
宗三『………貴方も?』
『はい…だから、頼ります。
あらゆる手段をつかって勝ちます。』
それがたとえ相手を殺すことに
なろうとも守るためならこの手を
汚すことだって覚悟しよう。
『壊す者だけが強者ではない事
護るべきこそが強さだとここに
証明してみせますよ。』
ぎゅう…と抱き付けば
宗三様は"フフッ…"と微笑む。
宗三『流石…僕が認めた審神者です』
柔らかく微笑んだその表情に
かつての陰りは無くなっていた。
彼は彼の自由をこれから
探していけばいいのだから
私はその道を作ればいい。
だから…今は、
『宗三様…あったかいです…っ』
宗三『えぇ…とても。』
胸に確かに感じる温もりを
永遠と感じていたかった。
笑顔の花は見えない心に咲き誇る。
いずれ訪れる闇が迫ろうとも
咲き誇れる花をここに咲かせよう。