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狂気の傷痕【刀剣乱舞】

第19章 戦争。


江雪様は私の体を拭き取り
布団へと促し包み込めば
腕枕をしてくれた。


横向きにお互いに向き合えば
私の背中を抱き包み込んだ。


きっと小夜様は宗三様と
江雪様に包まれていつも…
眠っているのだろう。


(あたたかい…、)


江雪『貴方は…戦で咲く花を
見た事はあるでしょうか…。』


温もりに包まれていると
江雪様は呟いた。


思い出すように彼は語る。


江雪『咲くと共に散っていく花
私は何度も見てきました…そして
この手を汚してきました。』


戦に咲く花…咲くと共に散る…
手が染まる…彼が背負うものは


『それは…、』


江雪『そう…血の花…ですよ。』


切りつけた時に飛び散る血は
吹き出すと共に地へと染まる


『江雪様…。』


江雪『戦は嫌いです…何も生まれず
悲しみだけに満ちていくのです。

それがこの本丸でした…帰る場も
出陣される場も全て地獄でした…。』


黒本丸と名高い場である拷問所…
彼の手は微かに震えている。


江雪『奴が捕まり…貴方が来て…
見違える程ここは変わりました。

お小夜は笑顔を浮かべ宗三も…
かつてのように微笑むように…
何よりも嬉しいこと…ですが、』


その分…江雪様は苦悩に悩まされる
向き合う事が何よりも怖かった…と


『見つけ…られましたか…?』


貴方が望むことを、


すると彼はぎゅっと抱き締め
額へ唇を押し当てた。


むに…とした柔らかい唇。


江雪『えぇ…弟達にも教えたいです。』


いや、それはちょっと恥ずかしい…。


江雪『この手が憎いだけでした…。
けれど、見つける為にもこの手と
向き合うのもまた面白いですね。』


江雪様は私の頬をする…と撫でた。


『…沢山見つけましょう…っ』


喜びを分かち合いましょう。


江雪『えぇ…貴方のお陰です。』


喜びに満ちた表情で江雪様は
見つめてちゅぅ…と唇を交わした。


愛しいものに触れるように…。


『明日は小夜様と宗三様と
向き合いましょう…皆で…沢山
これから見つけていくのです。』


それは何にも勝る輝きを放つから



江雪『えぇ…そうですね…っ、』



言葉に伝わる想い…それは
喜びに満ち溢れたものだった。





(笑顔の花を見つけましたね。)







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