第16章 期待。
私が口を開かずにいれば
清光は溜息を吐いた。
清光『強情だね…いいよ
俺の好きにらせてもらうね。』
清光は背中に手を回して
下着のホックを外して、
下着を上へとズラした。
恥ずかしくて我慢ならなくて
自分の胸を隠せば清光は少し
不機嫌な様子で唇を尖らせる
清光『まだ抵抗するの…?』
『だ、って…。』
清光『俺、気持ち良くしたいの
それだけだから、大人しくして』
『やだ…、清光…。』
怖い…優しい影に何かを纏い
襲いかかってきそうな清光に
不安に襲われて後ずさろうとも
それを許さない彼は胸の突起を
きゅっ…と摘んだ。
『ひゃ…ぅ。』
清光『逃げちゃだめでしょ、』
『やぁ…痛ぃ…』
こりこりと捏ねる指…
痛みがはしって泣いて縋る。
清光『痛い…じゃあ…
どうして欲しいか言ってよ。』
『ぅ…ぃ…痛…っ。』
清光『言えるでしょ?』
こり…っ、その瞬間に
私は縋るように呟いた。
『あぅ…清光…清光…ぅ。
痛い…コレ…やだ…触ってぇ、』
ぐりぐりとやめてくれない
指に自分の手を重ねた。
清光『どんな風にしてほしいの。』
『っ…どんな…って、
そんなの…わかんないよぉ…。』
思わず泣きじゃくれば
清光は慌てた様子もなく
仕方ないな…と呟いた。
もう目の前にいる清光は
私の知る清光ではないのかな…
清光『あーるじ、泣かないでよ。』
『うぅ…っ、ヒックッ…っ。』
悲しくなってぽろぽろ
涙を零しているとその涙を
清光はちゅ…ちゅ…と舐める。
清光『しょっぱ…。』
もう誰だこの人ぉ…。
コンコン…。
安定『主、夜分にごめん。
清光ここに来てるかな…。』
清光『あっ、安定…。』
清光は私からそっと離れて
私の唇にちゅ…と口付けする
清光『ちょっと待っててね。』
そう言い残して清光は
ゆらりとゆらりと歩いて行く。
恥ずかしくて自分の体を
縮こまらせて隠そうとする。
清光はガチャ…と扉を開けた。
扉の先にいた安定様は
やっぱりと言った様子だった。
安定『何してんの、清光。』
清光『ねぇ、安定も混ざりなよ。』
何言ってるの…清光…ねぇ。
清光『一緒に可愛い主…見れば?』
私の声は彼には届かない…。
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