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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第49章 満天恋月 ー 織姫争奪戦 ー/ おまけEND





「遅いな、舞……何やってんだ?」




未だに武将達でわいわいとうるさい安土城広間。
なかなか戻ってこない舞に、政宗が痺れを切らしたように声を上げた。

舞が七着の浴衣を持って、自室へ消え……

すでに一刻の時が経とうとしていた。
外はもう夕陽、七夕の日も終わりに差し掛かろうとしている。


政宗の声を聞き、佐助は無表情のまま考え……
そして、ぼそっと爆弾発言を漏らした。








「舞さん……逃げたかもな」







「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」



武将達が一斉に悲鳴を上げる。
唖然と口を開く者、がっくり項垂れる者。

そんな中、爆弾発言を漏らした当の本人は、しれっと茶をすする。

そんな部下の様子を見て……
謙信は刀の柄に手を掛けながら、佐助に凄んだ。




「理由を申せ、佐助。納得いかん理由なら斬る」

「謙信様、どうどう」

「斬られたいんだな、承知した」

「舞さんが行く場所に心当たりがあります」

「何?」




目を見開く謙信を見て、またお茶をひと口。
そして、相変わらずの無表情で淡々と続ける。




「多分……舞さん市へ行ったんじゃないかと」

「何故だ」

「今日誕生日の男に会いに」

「…………」




佐助の一言に。
謙信は左右違う色の瞳を細めて……
何故か納得したように、刀から手を離した。














────…………















「幸村〜〜っっ!」




その名前を呼ばれる声に反応し、幸村は店を畳む手を止めた。

声のした方に目を向けると、舞が浴衣の裾を持ち上げて走って来るのが見え。

少し驚いたが、ふっと目元を緩め舞を迎えた。




「おー、舞。どうしたんだ?」

「どうしたんだって幸村に会いに来たの」

「今日謙信様が城に行っただろ、こんな所に来ていーのかよ」

「どうしても今日会いたかったの」

「え?」




すると舞は少しはにかんだように笑い……
本当に嬉しそうに、こう続けた。




「お誕生日おめでとう、幸村。七月七日は幸村のお誕生日だよね。どうしても直接言いたくて……」





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