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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第39章 ベイビー*ロマンチカ / 豊臣秀吉




「見て見て秀吉さん!蝶々がいるよ!」



はしゃぐ舞の数歩後ろから、秀吉は目を細めてその姿を見ていた。

今日は久しぶりに一日休みが取れて、舞と近くの湖までやって来た。
天気も良いので、湖畔をそのまま散歩する。

湖畔には春の野花が咲いていて、とても乱世とは思えない平和な光景に……
秀吉は穏やかに息を吐いた。



(心が安らぐな……なんか)



目の前では何よりも愛しい存在が居るし。
これ以上の幸せはないと、本気で思う。



「秀吉さん、この辺でお昼にしようよ」
「そうだな、弁当を広げるか」
「うんっ」



秀吉は手に持った風呂敷包みを下に置くと、それをそのまま開いた。
中には舞が朝から作った弁当が入っている。

風呂敷を下に敷いて、そこに弁当を広げると。
舞もそれを見ながら側に腰掛けようとしたので、慌てて引き止めた。



「ちょっと待て。そのまま座って汚れないか」
「大丈夫、ちょっとくらい平気だよ」
「でもな……うん、これに座れ」



秀吉は紅い羽織を脱ぐと、それを下に敷いた。
舞は手をぱたぱた振りながら、頬を染める。



「大丈夫だよ!羽織が汚れちゃう」
「お前が汚れるよりマシだ」
「でも……」
「ほら、いいから」



舞の手を引き、羽織の上に座らせる。
すると、舞は申し訳なさそうに、秀吉を見た。



「ごめんね、なんか」
「謝る事ない、せっかく着物を新調したんだろ?」
「えっ、気づいてくれたの?」
「まぁな」



今日舞が着ている着物は、少し前に舞に贈った反物で作られていた。
鮮やかな黄緑色に、白と黄色の花柄。
それは舞の白い肌を、綺麗に映えさせた。



(気づかない訳ないだろ、お前の事で)



そんな事を思っていると、舞は恥ずかしそうに頬を染め。
やがて、はにかんで笑った。





「気づいてくれて、ありがとう。嬉しいな」





(……っ可愛い…………っ)



こーゆー照れている時の顔は、本当に可愛いと思う。
それだけじゃない、何をしている時だって。
すごくすごく可愛いと思う。

こんなにも惚れてしまって、自分が情けないと思う半面……

舞になら溺れてもいいと思ってしまう。


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