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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第25章 色欲の野獣 / 豊臣秀吉





「秀吉様、顔真っ赤ですよ!」
「ほんとだ、秀吉さん、さっき酔い醒まし飲んだんじゃないんですか?」
「……これを飲んだ」



と、先ほどから握っていた、薬の小瓶を家康に見せる。

それを見た途端、家康は『えっ?!』と、すっとんきょうな声を上げた。



「ひ、秀吉さん……それ、飲んだんですか?!」
「…今飲んだと言っただろ……身体熱い…」



それを確認するや否や、家康はがっくり肩を落とし……
そして、頭痛そうに、額に手を当てた。



「おい、家康。 それがなんだって言うんだ?」
「政宗さん、面倒くさい事になりましたよ……」
「勿体ぶらずに、早く言え!」



家康は苦虫を噛み潰したような顔で、政宗、三成と視線を送った後、しゃがんで秀吉の肩に手を置いた。



「いいですか、秀吉さん。 それ…酔い醒ましじゃないですよ。 秀吉さんが飲んだのは、媚薬です。 しかも、強力なやつ」
「……び、やく」
「そう、覚淫剤って言ったほうが解りやすいかな。 一時的に性的欲求を倍増させるもので……その証拠に秀吉さん、今舞の事で頭いっぱいじゃないですか?」



そう言われ、怠い頭で思考回路を巡らす。
しかし、考えても考えても、舞の事しか思い浮かばない。

しかも、普段の舞では無く、自分に抱かれて乱れている時の……そんな姿ばかりが目の前をちらつく。


押し黙ってしまった秀吉を見て、政宗が家康に困惑気味に尋ねた。



「解毒剤みたいの、ないのか?」
「あるわけないでしょ……誰かに満足させてもらうのが、一番の解毒方法です」
「自慰で何とかならないのか、欲求が収まればいいんだろ?」
「それ、一番駄目なやつ……肉体は満足しても精神的に満足しないから。 それで、とち狂った人知ってますからね」
「……つまりは、舞様に頑張ってもらうしかないと」



三成の、ぼそっと呟いた一言に、三人して押し黙る。


結局、考えても考えても解決策などある訳もなく…
秀吉の肩を担いで、御殿に送って行く事になった。

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