第7章 緋色の再会──Sherry, Russian
「る、ルシアン……?」
ルシアンって確かお酒の名前じゃ……そう思った次の瞬間、クリスさんの姿は私の前から消えていた。
周りに他の者もいるというのに、私は盛大に舌打ちをした。
「くそっ、逃げられたか」
だが今はそんな謎だらけの人よりも新一達だ。一刻も早く合流しなくては、2人に心配をかけてしまう。
とりあえずシャンデリアの近くにいれば大丈夫かと考えて、私は人混みをかき分けてシャンデリアの近くに歩いて行った。
その時。いきなりフッと電気が消えた。スライドショーが始まったのだ。
「え」
もともと暗い所が得意ではない私は正直ものすごく慌てた。
そこへ──
「瀬里奈!」
コナン君の声がした。パッと手を掴まれる。暗がりの中でも分かる、コナン君だ。そばには哀ちゃんもいる。
「よかった、なかなか見つからないから探しちゃった」
ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、パシャッとフラッシュが焚かれ、キュイイインという謎の音がした。
パサリッと私の頭に落ちてきたのはハンカチ。何でハンカチなんかが──?そんなことを思う間もなく、ガシャン!という大きな音がした。
「明かりをつけろ!」
誰かが叫び、すぐに照明がつく。そして会場にいた者全員が目にしたのは──
「きゃあぁぁぁぁ!!!」
──シャンデリアの下敷きになった呑口議員だった。