第16章 paradox of ephemerality
丘の麓に着くと、小栗の赤い車が止まっているのが見えてそこから車を降りて走り出した。
頼むから無事でいてくれと願いながら坂道をかけ上がって行く。
『あそこだ………二人はっ………』
登り切ったところに手作りの位牌が見えたその瞬間だった………
2発の銃声が鳴り響いて、そしてその音は空へと消えていった。
櫻『嘘………だろ…………… 潤っ……… 潤………
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二人の姿が目に映ると涙で視界が滲んで見えなくなる。
二人凭れあうようにして静かに目を閉じているその身体を抱きしめて俺は、いつまでも動けずにいたんだ。
完結。