第4章 Don't love you anymore
すっかり安心したようにすやすやと寝る潤の頭をそっと撫でてメモを残すと部屋を後にした。
何度も名前を書こうか迷って結局思いとどまって【楽しかった。じゃあな】とだけ書いた。
櫻『うわ………やべえ。 着信』
駐車場に着いて車に乗り込んでようやくスマホを確認すると滝沢の名前で埋めつくされていた。
櫻『わりい。電話出れなくて。
どうした?』
滝『おめえな。 ……どうしたじゃねえだろ。
取引の後に連絡取れないと分かるだろ? 俺が上から色々言われんだからさ。』
盛大なため息とともに滝沢の説教が始まりそうになるのを制止するように話を変える。
櫻『まぁまぁ。 昨日は一晩中離してくれなくてさ。
ところでさ…滝沢、……長瀬って覚えてるか?』