第2章 【松】おそちょろ生態観察日記
チョロ松は名前の通りチョロい一一。
在りし日、カラ松が流行り風邪をこじらせ喉をやられた時、一時間の筆談での攻防の末一一彼は代役をやらされた。
台本の読み合わせの時間が一番長かったから台詞や間合いを覚えているだろうと請われて。
実際、誰に悟らせる事なくチョロ松はカラ松と、カラ松がやる筈であった王子様の役を演じ切った。
まだ個性が今程はっきりしていなかったとはいえ、見る人が見れば分かるはずだが風邪を引いたのはチョロ松でカラ松は何事もなく劇に出演した事になっている。