第10章 願の先に
顔を合わせることはないのであまり恥ずかしくないですね。
「私もエースが好きです」
ぽそっと呟いてみたつもりでしたけれどもエースにはしっかりと聞こえていたみたいです。
いきなり向かい合ったかと思えば先程よりも強い力で抱きしめられました。
苦しいけれども、力強くて安心できます。
能力のせいなんでしょうか、心地いい暖かさが芯まで温めてくれるようです。
そのままエースの腕の中に大人しく収まっていました。
普段は絶対にしませんけれども、いつもより少しぎゅっとエースを抱きしめました。
それに答えてくれるかのようにエースも返してくれました。
お互いに抱き合ってしばらくして満足したので、そろそろ皆さんのところに戻ろうということになりました。
「さて、じゃあみんなに報告しに行こうぜ」
エースはウキウキとした表情でエースは私の手を取ってみんなのところに戻っていきます。
「ま、まってエース。私まだ心の準備が…!」
どんなに抵抗してもエースには勝てなくてそのまま甲板に連れて行かれました。
皆さんが何事だとなっているときにエースが大きな声で交際宣言をしてしまったので皆さん大騒ぎ。
サッチさんはやっとくっついたのかとエースの肩を叩いて祝福してくれました。
他の皆さんもどうやらエースの気持ちを知っていたようで、喜んでくださっています。
その日は夜遅くまで皆さん祝ってくれました。
本当にここは暖かいです。
帰ってこれて本当に良かった。
ねぇお兄様、私も少しは強くなろうと思います。
大切なこの場所、大切な人たちを守るために、エースと一緒に乗り越えていきます。
「これからも末っ子としてよろしくお願いします!」
だからお兄様も祝福してくださいね。
~FIN~