第8章 末っ子の秘密
「なんで海軍さんが3隻もきてんだよ」
「知らねぇよい。エース、アリスを頼んだよい」
海軍船が3隻ということで、船内には一気に緊張が走ります。
いつもとは違う空気と緊張感に私の心はだんだんと恐怖を感じ始め体が自然に震え始めました。
私を腕に抱いていたのでエースは私が震えているのに気が付いてくれて頭を撫でてくれます。
いつもはこれで落ち着くはずなのに、今日は一向に収まる気配がありません。
「大変です!それぞれの海軍船に3大将、そして赤犬の海軍船にガープとセンゴクの姿が確認できました」
その一言で船内に動揺が生まれました。
その名前を聞けば誰でも耳を疑いたくなるようなメンバーにお父さんの顔もだんだんと厳しくなっていきました。
それにつれて私の緊張がドンドン高まっていきます。
ついに海軍船がモビーの近くまでやってきました。
この間助けてくれた青キジさんの顔がはっきり見えます。
空気はまさに一触即発。
このまま大きな戦いにならなければいいのですが…
「グララ、何しに来たセンゴク」
「お前に用はない。私たちが来たのはここに居るあるお方を保護しに来た」
海軍が海賊を保護だなんて。
どうして?
エースの顔を見てもエース自身も意味が分からないという顔をしています。
「ふん、我々も青キジからの報告を受けなければ気付かなかったよ。そのお方とは18年前に行方不明になっていた天竜人のアリス宮だ」
…天竜人?
それって世界貴族ですよね?
私が世界貴族ってことなんですか?
え?え?
私の頭の中は混乱の渦に飲み込まれていてよく働きません。
白ひげ海賊団の皆さんも信じられないという顔です。
「どこにそんな証拠があるってんだ?」
唯一冷静だったお父さんはセンゴクさんに聞き返します。
確かに、証拠がなければ信じることは出来ません。
「ふん、我々が世界貴族について嘘でもいうと思うか。そんなことがあったら不敬罪なんてものを通り越してしまうわ」