第5章 初戦闘
「まったく、ほらアリスも朝めし食べてこいよい」
「はい!ありがとうございます」
やっと朝ごはんにありつけます!
食堂に行くとエースはご飯に顔を突っ込んで寝ていました。
「お、アリス!大丈夫だったか?」
サッチさんはなかなか食堂に来なかった私を心配してくれていたようです。
「はい、大丈夫です」
目の前には出来立てのパンとスープ、サラダが置いてありました。
いつもすごい勢いでなくなるのでサッチさんが私ように取っておいてくれたようです。
一口かじればバターの甘い香りが鼻の奥からすっと抜けていくような感覚に思わず笑みがこぼれます。
「おいし」
朝一番にこんなおいしいご飯を食べることが出来るなんて幸せすぎます。
外はサクサク、中はふわふわのパンは絶妙な甘さが表現されていますし、スープは猫舌の私に配慮してくれていていい感じに冷めているし、サラダは栄養バランスを考えて出されているし、完璧すぎます!
流石の一言です!!
朝からご飯のすばらしさの余韻に浸っていた私は、今日はとても素晴らしい一日になりそう気がしています。
自分のペースでご飯を食べ終わった私は、サッチさんにお礼を言ってネコの姿に戻りました。
因みにエースはまた書類をためていたようで、マルコさんに監視されながら今頃部屋で仕事をしているはずです。
今日は朝からとってもいい天気。
甲板に出るとより一層そう思えます。
気候が変わりやすいグランドラインでは突然大雨が降ってきたり、海があれたりするのは当たり前なのですが、航海士さん曰く春島の気候に入ったようなので安定しているみたいです。
ポカポカいい気持ち~。
これは絶好のお昼寝日和です。
日が暖かく広々としている甲板でウトウトを始めた私はいつの間にかぐっすりと眠ってしまったようです。
昨日の疲れが取れていないのか、私の意識は随分深く落ちてしまっていて誰かが私を抱っこしても全く気付かなかったのです。
「ほぉ、こんなところに子猫がいるなんて。めずらしいな」
そんな声も私の耳には届いていませんでした。