第5章 初戦闘
その日は特別何かあるわけでもなく、いたって平和な一日になるはずでした…。
それは私は甲板で陽気な日差しを浴びながらお昼寝をしている時に突然やってきました。
「3時の方向に敵襲!」
子猫の姿では耳もよくなってしまうのでその情報はいち早く耳に入りました。
敵襲は初めてです。
今では世界最強の男と言われているお父さんが乗っているせいなのか私が乗ってから今まで一度も敵襲に会うことはありませんでした。
私はどうしておけばいいんでしょう。
初めての戦闘で一人おろおろしているとエースがこっちにやってきました。
「お、アリス見っけ」
どうやら私を探していたようであっという間に腕の中に収められました。
「悪いな、オヤジが呼んでいるんだ」
あっという間にエースに連れていかれてしまいました。
そして、私の目の前にはずっしりと座っているお父さん。
「来たか、アリス。さっそくで悪いが仕事だ。今からやってくる敵船に侵入して宝の場所と海賊の名前を調べて俺に報告してくれ」
これはまさかの初任務です。
「行ってくれるか?」
お父さんは心配そうな目をしながらもしっかりと私を見つめています。
せっかくの初任務。
怖いけど、私も役に立たなきゃ!!
「にゃーん!」
元気な返事と首を縦に振るとお父さんは理解したようだ。
「そうか、すまねぇな。くれぐれも気を付けて行って来いよ」
お父さんは優しく見送ってくれました。
うん、頑張れる気がします!
エースに抱っこされたまま甲板に出ると、そこはもう戦場でした。
目の前でたくさんの人が血を真がして戦っているのを実際に見ると不安になってきました。
「大丈夫か?敵船の近くまでは俺が連れて行ってやるけど、そこから先はアリス一人だ」
エースは敵からの攻撃を避けながら私を敵船まで連れてきてくれました。
やっぱり、モビーとは全然違います。