第15章 白猟を押し倒す企画
白猟のスモーカー。
私は、そう呼ばれている上司の元で働いています。
「たしぎちゃーん!」
「あ、茉都莉さん」
今はお昼休みで、ちょうどたしぎちゃんを見つけたので、一緒にお昼ご飯を食べる事にした。
「たしぎちゃん、聞いてくれない?」
「どうしたんですか?」
今日は、ちょっととある覚悟を決めたから、たしぎちゃんに聞いてもらいたかった。
「私、どこぞの白猟と付き合って、もう2ヶ月じゃない?」
「どこぞの白猟って…。でも、確かに2ヶ月くらいですね」
「…それなのに、よ?」
たしぎちゃんが、ちょっと困惑した顔で見てくるけど、構わない。
「…それなのに、あの白猟、まだ一度も、私に手を出してこないのよ!?」
…あぁ、完璧にたしぎちゃんが困ってる。
「キスだって…2、3回だし!白猟は仕事ばっかで、何か、付き合ってる自信も無くしそう…」
「そんな…!」
たしぎちゃんがヨシヨシとなぐさめてくれた。
本当にいい子だわ、たしぎちゃん。
…ドジだけど。
「私、そんなに魅力無いのかな…」
うなだれれば、たしぎちゃんが笑顔でこう言ってくれた。
「そんな事無いですよ。茉都莉さんは、強くて美しいです。私の、憧れなんですよ」
少し照れたようにそう言ってくれたたしぎちゃんは、本当に可愛くていい子だ。