第14章 濡れた水にさえも。
任務の後、シャワーを浴びるため、浴室へと向かった。
私は、ルッチと部屋を共にしている…
まぁつまり、恋人という関係で。
今日はまだ、ルッチはこの部屋に帰って来てないみたいだ。
浴室に入り、服を籠に脱ぎ捨ててからカッターシャツとブラだけになって、ふと、カクから借りた漫画の内容を思い出す。
そのまま、シャツからブラだけを脱いで、私は、シャツを着たままシャワーをの水を浴びた。
そして、鏡を見てみるものの、どうも納得がいかない。
ポーズを変えたり、シャツを調整したりしていると、浴室のドアが開いて、タンクトップ姿のルッチが入って来た。
「何を、している」
眉をひそめてこちらを見るルッチに、私は濡れて、シャツを着たまま、抱きついた。
「何をするんだコノヤロウ」
「…エロい?」
構わずそう聞いた私に、さらに怪訝な表情になったルッチ。
とりあえず、説明を。
「…あのね、漫画で、水に濡れて、シャツが透けて肌に張り付いている女に、男の人がとても欲情してしまうシーンがあったのね。」
「………。」
ルッチは、色々とツッコミたそうな目をしている。
「それで、実際にやってみたら、どれほど色気がでるのか、試してみたくなったのだけど…。」
あまり、色っぽくなくて、がっかりしちゃった。
そう言った瞬間、ルッチに押し倒されてしまった。
「…どうしたの?」
「…欲情した」
ニヤリと笑うルッチ。
「やだ、それ、お世辞にはならないわよ?」
そう言えば、
「…確かに、
お前の肌を滑り落ちる水にさえ、欲情してしまう程…
色気のあるものだ」
水にさえ、
(そんな事をしなくても、充分お前は俺を欲情させる。)