第12章 ぎゅー、後ちゅー
仕事に一区切りついたらしい彼は、私を呼ぶ。
「茉都莉「分かってる」
恥ずかしいから、思わず遮ってしまった。
「なら、わかってんだろうなァ」
彼がこんなことを言うと、脅し文句にしか聞こえないんだけど、もちろん私には分かっている。
彼の座るソファに近づけば、あっという間に抱きしめられる。
これがまた、もふもふが気持ちいいやら、恥ずかしいやら。
最近はよくこんな事をしているけれど…
私はやっぱり、彼がとても好きだから、これじゃまだ、物足りないの。
「…ねぇ、ドフラ。」
「どうした」
…ぎゅっ
「ふふ、物足りないわ?」
「言うじゃねェか」
そう言った彼の顔が近づいて、降ってきたのは甘いキス。
ぎゅー、後ちゅー