• テキストサイズ

有終の美を貴女に 【百合】

第1章 有終の美を貴女に 1



都内某所某日

昼休みのチャイムが鳴り、教室に喧騒が訪れる。
かつん、かつん、と、階段を登り上がった先にあるのは屋上への扉。


「...」


一人の少女は、一言も喋らずに屋上へと上がる。
髪が風に靡き、揺れる。


お弁当を食べに来たわけでもなければ、誰かに告白しに来たわけでもない。


ましてやこの屋上は――閉鎖されているはずだった。


――少女は上靴のまま、柵へと近づいて行く。
瞳は虚ろだが、足取りは確かだった。
そしてそのまま、柵へと手を掛けると

何の躊躇いもなく

下へと



落ちた








「...ねえ、おーい、おーいってばぁ。」


「...」


目を覚まして入ってきたのは眉目秀麗な少女の顔。
何度か瞬きをしてから落ちた彼女はこう言った。





「私――また、死ねなかったのね。」
/ 34ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp