第15章 負けない
そのままサスケ宅へと連れて帰られた。
途中の道で、何度も「仲良しね」と声をかけられて恥ずかしかったのは、きっとお互い様である。
「ほらよ。」
サスケが投げたものを受け取ると、それは鍵だった。
いわゆる、サスケの家のスペアキー。
『え、なんで?私、貰う理由ないよ?』
「お前は俺を信用して渡したんだろ?それに片方だけってのはフェアじゃねぇ。」
『フェアって…。』
「俺はお前を、信頼している。」
そう言いながら、傷の手当をしてくれる。
一瞬驚いたが、嬉しかった。
サスケが妙に顔を合わせようとしないのは、きっと照れ隠しである。
『ふふっ、そっか。ありがとうサスケ!』
「礼を言われる事なんて、してねぇ。」
素直じゃないやつだと、リクは笑う。
サスケが信頼してくれた事が嬉しくて、手のひらの鍵をしっかりと握りしめた。